SOLでは定期的にスタッフのスキルアップのため、研修を実施しています。
今回は「緑の募金」の助成を受けて今年度行った、安全管理のスタッフ研修についてレポートしたいと思います。
安全管理とは…事故を防ぐための対策やスキルのこと。野外活動を行うSOLの事業では必要不可欠。
講師は野外活動界隈のレジェンドといって過言ではない「WakuWakuOFFICE あそBe隊」代表の薄井良文さん(以下、隊長と呼ばせていただきます)
隊長は阿蘇消防初代山岳救助隊長として山岳救助体制を確立された実績をお持ちです。
つまり救急救命のプロ中のプロ!
現在は阿蘇のプロガイド「WakuWakuOFFICE あそBe隊」の運営に加え、危機管理やチームビルディングなどの研修や講演を多数行われています。たくさんの事故現場を見てこられた経験から「とにかく事故を起こさないための知識を伝えたい!!」という熱い熱い情熱をお持ちです。
今回の研修では、骨折・やけどといった外傷やハチなどの生物に刺された時まで、幅広く緊急時の対応を学びました。
とりわけ印象に残ったのは、AEDを使用する場面のことです。
(AEDとは…自動体外式除細動器。けいれんにより心臓が全身に血液を送れなくなったときに電気ショックを与え正常な機能を回復させる装置のこと。空港・学校など公共の場に設置)
研修は「突然目の前の人が苦しみだした場面に対応する」という設定で行われました。救急対応についてこれまで学んできたSOLスタッフですが、実際に目の前で人が苦しんでいると思うと、慌ててしまうもの。担当となったスタッフは、必死に患者役の人形に声をかけ心臓マッサージを行います。練習用のAEDを起動させると、AEDが「離れてください」など音声で指示を出します。
その時
「ストップ!!」突然隊長がスタッフの動きを止めました。そして尋ねます。
「AEDは何と指示を出していましたか?」
「えっ・・・」対応していたスタッフは、言葉に詰まってしまいます。
周囲で見ている自分も、また同じでした。
慌てていたので、音声を正確に聞き取れていなかったのです。
これは私にとって衝撃的なことでした。
パニックになると、通常通りの感覚情報を受け取れない可能性がある。
そのことを身をもって体験したのです。
今回の研修では緊急時こそ、落ち着いて患者や周囲に注意することが大切だとわかりました。
しかし子どもたちとの活動では、緊急時に備えるだけでは不十分。
もっと大切なのは「事故を予防すること」です。
事故について学んでいくと、事故には必ず原因があることに気づきます。
虫刺されの外傷についても、例えばハチは攻撃されたと感じると、こちらを攻撃する性質があるそうです。
その性質を知っていれば、ハチが来てもむやみに追い払わず、離れる行動を選択できます。
事故について学ぶことで原因を知り、早めに手を打つことができる。
事故を起こさないことが、安全管理の目標になるのですね。
SOLでは日々、1人1人の大切な子どもたちと関わります。
今回の研修は、改めて安全管理への理解を深める機会になりました。
薄井隊長!ありがとうございました。